多くのアイデアを出すにはどうすればいいんだろう?
どういった観点でアイデアを発想すればいいんだろう?
全社に対してアイデア着想の基本となる6つの項目を埋めるように依頼して、グループ内で考えていたアクションの第一歩を踏み出した。
これまでこれほど大々的なアイデア出しなどはやったことがなく、新しい取り組みのため、事前にアイデア出しのコツに関する情報展開を行った。
より多くのアイデア、よりバラエティに富んだアイデアが出てくることを期待した。
独創的なアイデアは一部の天才によるひらめきと思われているかもしれないがそんなことはない。
1988年に発刊され、すでに70回以上も増刷されているジェームス・W・ヤング著の「アイデアのつくり方」で以下のように述べられている。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせだ」
「既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい」
引用:「アイデアのつくり方」ー ジェームス・W・ヤング ー
アイデアを発想するツールを知ることは非常に重要なためここではいくつかのアイデア出しのコツを紹介したい。
目次
アイデア出しのコツ
個人でアイデアを考えたり、複数のメンバーでアイデアを考えるときに役立つフレームワークが多く存在する。どうしても人はこれまでの知識や経験によって無意識に思考の制約がかかってしまう。そういった普段の思考の幅を広げてくれる役割をフレームワークは果たしてくれる。
これまで使ったことがないという人は利用シーンに応じて一度使ってもらうことをオススメしたい。
ブレインストーミング
ブレインストーミングとは複数のメンバーでアイデア出しを行い、お互いのアイデアから新たな発想を誘発する手法です。
一般的に「ブレスト」と言われています。1人では思いつかいないアイデアや、大量にアイデアを出したい時などにメリットがあります。
ブレストを成功させるには以下の点を意識して実施するといいです。
- 出てきたアイデアを批判しない・否定しない
- どんなアイデアも歓迎する
- 質よりも量を重視する
- 他の人のアイデアから新たに発想してアイデアを拡げる
- 制限時間を決めて実施する
KJ法(親和図法)
KJ法はどちらかというと発想法とうより情報整理フレームワークの位置づけです。ブレーンストーミングで出てきた大量の情報を整理して分析するなどに有用です。
具体的にはポストイットなどに1枚1枚にアイデアを書き出して、それらをグループに分けて並べ、整理していくという作業をします。
KI法は大量な情報を整理して、その集まりから新たな発想が得られるかもしれません。
主な手順は「カード化⇒グループ化⇒図解化⇒文章化」というように以下の流れで行います。
1.テーマを設定する
「新規に取り組みたい事業のアイデア」「会社が抱える人事評価の問題点」など解決したい課題や、新しく生み出したい内容を設定します。
2.データを集める
ポストイットに書き出すという手法でブレストを実施する方法が良く行われます。
3.データを俯瞰できるように配置する
出てきたアイデアや情報を卓上や壁などに重ならないように配置する。俯瞰的に見えるようにします。
4.1行見出しをつける
各ポストイットの内容を「1行で言うとすれば」という内容を別のポストイットに書いて、各カードの上に貼り付けます。
5.ポストイットの小グループ化
似ている内容をジャンルが同じものをまとめて小グループをつくります。どこのグループにも属さないようなものは無理にグループにいれなくてOKです。
6.小グループの概念化
小グループとしたまとめた根拠や共通点、特徴を考えます。そして、それらの内容を小グループのタイトルを別のポストイットに書いて貼り付けます。
タイトルが抽象的すぎると意味がよくわかりにくくなるので、具体的に書いて何のことかがわかるようなレベルでタイトルを決めましょう。
7.小グループの中グループ化
小グループのタイトル付けのあと、タイトルを俯瞰して、似たような内容やジャンルの小グループをさらに中グループにまとめます。このときもどこにも属さない小グループが出てきても無理にまとめなくてOKです。中グループについても共通点や特徴に基づいてタイトルをつけましょう。KJ法ではグループ化と概念化を繰り返してグループの数を減らしていきます。中グループの次は大グループというように。最終的に残るグループ数の目安としては10以下が適切なようです。
8.図解化
グループ数が10以下になったら、それぞれのグループを見て、グループ同士の関係性を考えます。その後、関連するグループを線で囲んだり、グループ同士を矢印などの記号で結んだりして関係性を図解します。どこのグループにも属さないグループや単体のポストイットについても、この段階で他のグループとの関係性を考えましょう。
9.文章化
グループの関係性を図解できたあとは、グループ同士の関係性を論理的な文章にしてまとめます。〇グループと△グループは〇〇な関係にある、とか〇〇は◇◇が原因でおこるとかです。うまく文章化できないときは図解化の工程にもどってもう一度考えましょう。
オズボーンのチェックリスト
9つの視点からアイデアを生み出す発想法です。アイデアが出ない時に無理やりアイデアをひねり出すアイデア抽出の手法の一つです。強引な印象もあるが、発想の飛躍ができるのあで染みついた固定観念をはずして考えることができます。ブレーンストーミングと同じアレックス・オズボーンによって考案されたのでこのように呼ばれています。
オズボーンの9つのチェックリスト
- 転用:他に使い道はないか?
- 応用:他の分野や他の商品から応用できないか?何か真似できないか?
- 変更:意味、色、形、音、動きなど変えたらどうなるか?
- 拡大:個数や形を拡大したらどうか?何か付け加えたらどうか?
- 縮小:個数や形を縮小したらどうか?分割したらどうか?
- 代用:他の素材や材料を使ったらどうか?他の作業方法にしたらどうか?
- 置換:要素を取り替えたらどうか?パターンや順序を他のアレンジにしたらどうか?
- 逆転:反対にしたらどうか?役割を逆にしたらどうか?順序を逆にしたらどうか?
- 結合:他のものと組み合わせたらどうか?作業を組み合わせたらどうか?同時にしたらどうか?
集まったアイデアをどう扱っていくか
全社に依頼をした新しいビジネスアイデアの集約は最終的に150個以上のアイデアが集まった。
まずは一定の数が集まったことに安堵した。
きらりと光るアイデアがあるのか?新規性の高い斬新なアイデアがあるのか?など期待しながら
集約したアイデアの確認、分類の作業を進めていった。
新規事業開発部門の計画は、まずは規定したアイデアフォーマットでの集約を行った後に、アイデア起案者を含めて各グループとミーティングを持ち、アイデア着想の具体的な背景などの確認やアイデアをさらにブラッシュアップできる意見出しを予定していました。
基本的には集めたものを選り分けて筋の良いアイデアに絞り込んでいくという大きな流れで考えていました。
まずは集約するだけでなく筋の良いアイデアに磨けるまで磨いてから絞り込みをしていくべきというスタンスです。
このあと、アイデアをどう扱っていくべきか?とうことで多くの課題を抱えながら進んでいくことになります。